実績と信頼の構造を読み解く
── 自分ビジネスにおける〈実績と信頼の循環〉シリーズ③
「実績がないと売れない?
ビジネスをしていると、「実績がないと売れない」「数字で示せ」と言われる。
それをどう受け止めればいいのか──誠実でいたい人ほど、そこで足が止まります。
市場の「信頼の形」は、数字や結果など“わかりやすい証拠”に偏っているもの。
それは、買う側が「判断材料の重要な要素」として求めるため、自然に起こる仕組みでもあります。
信頼は、二層でできている
けれど、信頼の構造は本来、二層でできています。
ひとつは「外的な証拠としての実績」。
もうひとつは、「内的な一貫性としての在り方」。
信頼には2つの側面があります。
他者からの信頼(他人に「任せたい」と思われること)と、
自分自身への信頼(自分に「できる」と信じられること)。
外側の数字や称号では、後者──自己信頼──は育ちません。
むしろ、誠実な人ほど「これは本当の自分じゃない」と感じて、
内側の信頼が摩耗してしまうのです。
内側の一貫性が削がれるとき
外的な証拠ばかりを積もうとすると、
その裏で“内的な一貫性”が削がれていきます。
その歪みが、言葉の端々や空気感に、違和感として表れてしまう。
誠実な人ほど、その空洞に気づいて苦しくなります。
そして、この構造を知らないまま「実績がない=価値がない」と思い込み、
虚しい張りぼて活動に精を出しても、
ただエネルギーを奪われ、不信感を募らせていくばかりです。
本当の信頼は、在り方から生まれる
けれど実際には、「実績」と「信頼」は同義ではありません。
数字は“信頼の一部”でしかないのです。
むしろ、自分ビジネスにおいての実績とは、「評価」ではなく「軌跡」。
日々積み重ねている理念、実践、在り方そのものが、
あなたの世界観の証拠(=evidence)になるのです。
他人に“魅せるための実績”よりも、
「これが私」と胸を張れる一貫した在り方こそが、
本当の実績であり、信頼の源になります。
「実績がないと売れない」という言葉は、
ある意味で真実。
けれども、それは、
“信頼にたる証拠”が必要という意味であって、
“数字を盛れ”という意味ではありません。
あなたの世界を育ててきた軌跡そのものが、
何より確かな実績であり、証。
そして、自分自身への信頼をベースに、
他者からの信頼を得てゆく──その順番です。
ほんものの「誇り」を、じっくりと丁寧に育むことが、
「実績」と「信頼」の循環に繋がるのだと思うのです。


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